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2025/06/11

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大規模サイトCMSの選定ポイント【BtoBサイト制作の勘所】

一般的なCMS(コンテンツマネジメントシステム)は管理するページ数によって、小規模・中規模・大規模に分けることができます。特に、サイト運用の効率化やセキュリティ、多言語対応などが求められる大規模なサイトでは、これらの機能を持つ大規模CMSを選びましょう。
この記事では、大規模サイトならではのCMS選びのポイントを解説します。

大規模サイトで適切なCMSの選定が重要な理由

大規模なWebサイトでは、数百ページから1,000ページ以上にわたるコンテンツを管理するため、小規模・中規模なWebサイトとは異なる機能が求められます。以下の観点から、大規模なWebサイトでCMSの選定を重視すべき理由を解説します。

コンテンツ運用マーケティング活動の効率化

BtoBまたはBtoCを問わず、大規模サイトはコンテンツの頻繁な更新が求められるうえ、複数の部署が関与します。そのため、効率性や他部署との連携しやすさが求められるでしょう。
CMSを活用すれば、HTMLやCSSの知識がなくても更新作業が可能になります。また、非エンジニアの担当者でも柔軟に対応でき、マーケティング部門や広報部門などの他部署とも連携しやすくなります。

セキュリティ強化の必要性

大規模サイトはアクセス数が多く、それだけサイバー攻撃を受ける可能性も高まります。そのため、堅牢なセキュリティ対策が必須です。
大規模CMSは、アカウント管理や暗号化通信、改ざん検知、アクセス制御などのセキュリティ機能を備えています。官公庁や大手企業に匹敵するセキュリティ強度のものが多いため、安心して運用できます。

国内外からの大量アクセスに耐える設計

特にグローバル展開する企業のWebサイトは、国内外から大量にアクセスされることもあるでしょう。アクセスが集中すると、ページ表示速度が遅くなるリスクがあります。
大規模CMSはこうした大量のトラフィックに対応できるため、アクセスが集中してもページ表示速度が落ちず、使いやすいサイトにできるのです。

大規模向けCMSで解決できる課題

大規模CMSは多くの機能を備えており、ページ数の多いサイトならではの悩みを解決してくれます。ここでは、大規模サイトによくある課題と、大規模CMSによる解決法を紹介します。

他部署との運用フローの煩雑さが解消

大規模サイトはWeb担当部署だけでなく、複数の部署をまたいで運営することが多いでしょう。
大規模CMSには、役割に応じたユーザー権限設定やワークフロー・承認機能が備わっています。これらの機能によって、部署間での承認作業やページの更新作業を効率化できます。また、通知機能やコメント機能も豊富で、部署間での意思疎通がしやすくなります。

表示速度やインフラ

大規模CMSを利用すれば、大量のアクセスにも耐えうるインフラを構成することができます。これにより、Webページの読み込みが遅くなる問題を軽減できるでしょう。
負荷分散やキャッシュ機能、CDN連携などに対応している大規模CMSを選べば、素早くページを表示させることができます。

柔軟性や拡張性

大規模CMSはプラグインやモジュールの追加によって、高度に機能をカスタマイズすることも可能です。新たなサービスやマーケティング施策にもスムーズに対応できるでしょう。
例えば、行いたいマーケティング方法に合わせてカスタマイズしたり、ブランドに合ったサイトデザインへ簡単に変更したりすることができます。

大規模サイトのCMSで選定すべきポイント

大規模CMSには、通常のWebサイトにはない独自の要件があります。以下のポイントを中心に、自社サイトに合ったCMSを選びましょう。

サイト規模

大規模サイトに分類される基準として、以下の要素が挙げられます。

・ページ数:大規模サイトのページ数は、数百〜1,000ページ以上に及びます。カテゴリーやタグの設計も重要です。
・アクセス数:大規模サイトの月間PV数は、数十万〜数千万PVに上ることもあります。大規模サイトには、このトラフィックに対応できる設計が求められます。
・編集者の人数:大規模サイトの運用は10人以上のチームで行うことが一般的です。その際、ユーザー管理や編集権限の管理が必要になります。

多言語対応

海外展開をしている企業にとっては、多言語に対応しているCMSが不可欠です。地域や言語ごとにURLを分けたり、翻訳管理システム(TMS)を持つCMSを利用することで、運用の手間を大幅に削減できます。

ワークフロー・承認機能

大人数で運用する大規模サイトでは、編集・確認・公開のプロセスをきちんと管理する必要があります。大規模CMSには以下のような機能があるため、スムーズにサイトを運用できるでしょう。

・ユーザーや部署ごとのアクセス制御機能
・部署をまたいだ下書き入稿や承認・公開ができるワークフロー機能
・ステータス管理機能
・コメント機能・通知機能

ユーザーや部署ごとにアクセスを制御することで、誤操作や情報漏洩を防ぐことができます。ワークフロー機能によって、部署をまたいで下書き入稿や承認ができるため、ページの編集や公開がスピーディーになるでしょう。
コンテンツごとにステータスを管理することで、「誰が」「いつ」「どんな作業を行ったか」を可視化できます。また、コメント機能や通知機能によって、関係者間のコミュニケーションも円滑になります。

デジタルマーケティング関連機能

大規模CMSには、本格的なデジタルマーケティングを行うための機能が備わっています。例えば、企業のマーケティング活動を支える以下のような機能を利用可能です。

・大量のコンテンツの一元管理
・ECサイト運用
・メール配信機能
・フォーム機能
・SNS連携
・MAツール連携

大規模CMSでは大量のコンテンツを一元管理でき、更新ミスや重複を防ぐことができます。管理コストの削減にもつながるでしょう。ECサイト機能があるCMSなら、商品販売から受注処理まで一貫して行えます。
また、メール配信やSNS連携機能によって、集客とリテンションを強化できるでしょう。フォーム機能を活用すれば、顧客が問い合わせをしやすくなることに加え、キャンペーン施策も展開しやすくなり、顧客との接点を増やすことができます。
さらに、MA(マーケティングオートメーション)ツールと連携することにより、リード育成やスコアリングのデータも活用できます。

セキュリティレベル

小規模・中規模サイトと比べて、アクセス数が多い大規模サイトはサイバー攻撃を受けやすいため、厳重なセキュリティ体制が求められます。
例えば、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格である「ISO/IEC 27001」認証を受けているCMSを選ぶことで、Webサイトの安全性と信頼性が向上します。
大規模CMSには、具体的に以下のようなセキュリティ対策機能が備わっています。

・暗号化通信
・パスワード管理機能
・改ざん検知ソフトウェア連携

データを暗号化したり、パスワード管理を強化したりすることは、不正アクセスの対策として有効です。また、改ざん探知ソフトウェアと連携すれば、外部からの攻撃や内部不正にも迅速に対応できます。
出典:一般財団法人 日本品質保証機構「ISO/IEC 27001(情報セキュリティ)」
https://www.jqa.jp/service_list/management/service/iso27001/

APIによる拡張性

APIに対応しているCMSなら、以下のようなカスタマイズも柔軟に行うことができます。

・CRMやBIツールとの連携
・Office製品との連携
・SNS連携

CRM(顧客管理システム)やBI(ビジネスインテリジェンス)ツールなどの営業支援ツールは、APIによってCMSと連携することができます。この連携により、営業やマーケティング活動の精度が向上するでしょう。
APIを利用すれば、ExcelやWord、PowerPointなどのOffice製品とCMSを連携させることも可能です。また、自社のWebサイトとSNSを連携させる際もAPIを利用します。

CMS導入で失敗しないための注意点

いざ大規模サイトにCMSを導入することになっても、ただシステムを移行するだけでは不十分です。大規模CMSの導入時には、以下のポイントに注意しましょう。

既存サイトのシステムやデータ移行の要件を確認

既存のHTMLやCMSデータを新CMSへ移行するためには、新CMSのフォーマットに合わせたデータ入力が必要となります。この作業計画はデータ移行前にしっかりと決めておきましょう。
また、新CMSへの移行作業を行っている間も、並行して既存サイトの更新作業を行う必要があります。そのためのリソースやコストも確保しなければなりません。

セキュリティ対策

新CMSに移行する際は、移行後の体制も含め、セキュリティ対策を検証することが重要です。大規模CMSは定期的にアップデートを行い、安全性を高めています。
CMSのアップデートの頻度や、セキュリティパッチの適用状況などを事前に確認しておきましょう。

保守・改修フロー体制の確認

新CMSを導入した後、持続可能な運用ができるかどうかも重要です。自社内での運用が難しい場合は、外部パートナーに保守・運用を外注することもあるでしょう。
その際、どの範囲まで外注するか、どれくらい外注コストをかけるかなど、しっかり計画を立てる必要があります。トラブル時の対応フローや、サイトを改修する場合のスピード感も確認し、信頼できるパートナーを選定しましょう。

CMSの目的を明確にした選定をする

数百ページから1,000ページ以上ものコンテンツを展開する大規模サイトを運用する際は、管理のしやすさや厳重なセキュリティが求められます。この需要に応えてくれるのが「大規模CMS」です。
一口に大規模CMSといってもさまざまな製品があります。その中から自社サイトに合ったものを選ぶためには、CMS導入の目的を明確にしましょう。それにより、作業効率化やマーケティング支援、セキュリティ強化、多言語展開など、目的に合ったCMSを見つけることができます。

株式会社アドミューズではBtoBに特化したWebサイト制作を行っています。特にIT・製造業の実績が豊富にあり、ニッチな商材の魅力を引き出すサイト制作をいたします。「海外展開を視野に入れたサイトを作りたい」といったご希望のある担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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