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BtoB企業のコーポレートサイトの目的・設計ポイントを解説【BtoB サイト】
近年、BtoBビジネスにおいてもWeb上での情報発信やリード獲得の重要性が高まり、コーポレートサイトの役割が一層注目されています。本記事では、BtoB企業がコーポレートサイトをどのように活用すべきかを、目的別・コンテンツ別・セキュリティ対策まで含めて詳しく解説します。
目次
BtoBコーポレートサイトの目的とは?
BtoBサイトの目的は、単なる会社紹介にとどまりません。企業の信頼獲得や新たな商談機会の創出など、ビジネスの基盤となる役割を担っています。
ブランディング・信頼獲得
BtoB取引は長期的な関係構築を前提とするため、信頼性が何より重要です。コーポレートサイトでは、企業理念や代表挨拶、顧客事例、認証取得実績などを掲載することで、見込み顧客やユーザーに安心感を与えられます。
また、ビジュアルやUI/UX設計もブランドイメージに大きく影響するため、統一された色づかいやデザイン、見やすいレイアウトが求められます。
見込み顧客の獲得
製品情報や資料ダウンロード、問い合わせフォームの設置により、見込み顧客を取り込む導線を用意できます。特にホワイトペーパーや導入事例などのコンテンツは、情報収集フェーズのユーザーにとって有益であり、リード獲得につながるコンテンツマーケティングの起点となります。
また、コラム記事も問い合わせ訴求やメルマガ配信と連動して運用できるなど、見込み顧客の獲得に重要な要素といえるでしょう。
成果が出るBtoBコーポレートサイトを設計・構築する5つのポイント
効果的なBtoBコーポレートサイトを構築するためには、設計段階からターゲットや訴求する内容などを明確にし、各コンテンツの役割を理解したうえで構築する必要があります。その代表的な5つのポイントと紹介します。
コーポレートサイトのターゲットを明確にする
最初に行うべきなのが、コーポレートサイトを訪問するユーザーのターゲティングです。想定企業の業種や規模、組織構造、抱える課題はもちろん、個々の担当者の役職や業務内容のほか、意思決定における決裁者・利用者なども詳細に設定しましょう。可能であれば、ペルソナを作成してコーポレートサイトの制作・運用の関係者に共有することで、今後の工程で各々の認識の齟齬が生じるリスクを低減できます。
自社やプロダクトの訴求ポイントを明確化する
設定したターゲットに対する自社の事業やプロダクトの訴求ポイントを、各コンテンツに落とし込めるレベルまで明確化しましょう。代表的な訴求ポイントとしては、競合他社との優位点や実績などが挙げられます。重要なのは自社主導ではなく、あくまでターゲットの課題解決などにつながる訴求ポイントを明確にすることです。社内の人間だけで訴求ポイントを洗い出してしまうと、往々にしてターゲットが求めるものと乖離することも少なくないため、既存顧客にユーザーインタビューを行うなどの情報収集が求められるケースもあります。
信頼性のあるコンテンツを発信する
コーポレートサイトは「会社の顔」であるため、各コンテンツには信頼性のある内容を盛り込まなければなりません。誇大表現や誤情報といったマイナスのイメージにつながる内容を掲載しないことは当たり前ですが、実績として既存顧客の社名や担当者名付きでインタビューを作成するなど、信頼性を高めるための「攻め」のコンテンツを作ることも重要なポイントの一つとなるでしょう。
UI・UX、集客経路を意識した構造・デザインにする
訪問したユーザーが、快適に知りたい情報にたどり着けるといったより良い体験を提供できるコーポレートサイトの構造・デザインを目指しましょう。いわゆるUI・UXといった意識したレイアウトやデザインの構築が重要であり、基本的にユーザーが「トップページに戻りたい」と思ったときに、その導線が視覚的・直感的に分かりやすく表示できる設計などが求められます。特に取り扱うプロダクト(製品)が多いBtoBの会社であれば検索性や表示する商品ページの項目なども、分かりやすく工夫しなければならないケースも珍しくありません。
また、お問い合わせフォームや資料ダウンロードページといったコンテンツに誘導するためのボタンやリンクも適切に行いましょう。
運用しやすい構造・設計にする
コーポレートサイトは公開して終わり、というわけではありません。商品ページやコラム、お知らせなどのコンテンツの追加や修正、削除などを繰り返して、コーポレートサイトの改善を図り続ける必要があります。そのため、解析ツールの導入・活用のほかサイトそのものも、現場レベルで運用しやすい構造・設計にすることが大切です。
BtoBコーポレートサイトの基本的なコンテンツ
BtoBのコーポレートサイトにおける重要なポイントを理解した後は、具体的なコンテンツの役割も確認していきましょう。
トップページ
企業の第一印象を決めるトップページは、直感的に会社の業種・強み・サービスの提供価値が伝わる構成が重要です。
上部のファーストビューにはスライダーを用いるなどビジュアル面での訴求を工夫し、下部は最新のお知らせや導入事例、キャッチコピー、主要サービスへの導線などをバランスよく配置しましょう。
事業内容・サービス紹介
以下の観点で、製品やサービスを理解しやすく、かつ魅力的に伝えることが求められます。
・製品やサービスの概要
・特徴
・導入のメリット
・料金プラン
最初に製品やサービスがどのようなものか、専門用語をかみ砕きながら簡潔に説明します。特にBtoB企業や製造業のニッチな分野では、図や数字データ、動画を用いてわかりやすく伝えることを心がけましょう。
特徴も詳しく記載し、競合との差別化要素を視覚的にわかりやすく提示しましょう。導入するターゲットユーザーに向けて、コスト削減や業務効率化などの効果をグラフを使いつつ定量的に示します。最後に料金プランでは、表を用いてわかりやすくすると同時に、透明性のある料金体系が望ましいです。
機能・使い方
製品やサービスの理解を深め、問い合わせや導入につなげるためには、詳細な使い方の解説も不可欠です。既存ユーザーの満足度を高めるためにも、詳細に記載しましょう。
・導入手順
・機能一覧
・FAQ
導入手順では、初めてのユーザーでもわかるようにステップ形式で記載します。機能一覧では、主要機能をカテゴリ別に紹介し、顧客が自社業務にどう適用できるかの参考にします。SaaSサービスを提供するBtoB企業であれば、画像や動画を用いながらシステムの使い方をケース別に解説すると丁寧です。
FAQは、よくある質問を掲載し、問い合わせ件数を減らすと同時に信頼感を高めます。これまでの問い合わせを洗い出し、どのような質問が多いか確認すると、内容に迷わずにすみます。
資料ダウンロード
サービス内容や導入事例、価格表などをPDF資料として提供することで、検討段階の見込み顧客との接点が生まれます。ダウンロード時に連絡先を取得できれば、その後の営業活動に活かせます。
製造業の企業であれば、製品スペックをまとめたパンフレットをPDF化して掲載するだけでも効果があります。
ブログ・ニュース
自社の専門性や市場理解をアピールできるブログは、SEO対策とブランディングの両面で効果的です。業界トレンドや導入事例、ノウハウ記事などを定期的に発信することで、サイトへの定期訪問を促し、信頼を築きます。
製造業の企業であれば、エンジニア視点の記事を載せることで他社との差別化もしやすいでしょう。
会社情報
会社情報は信頼感を与えるうえで重要な要素となります。特に以下の情報は載せることをおすすめします。
・企業理念
・一般情報
・沿革
まず企業理念では、自社が大切にしている価値観や社会的な使命を明示することが重要です。理念が明確であればあるほど、企業としての方向性が伝わりやすくなり、採用にも有利に働くでしょう。
次に一般情報では、会社の所在地や設立年月日、従業員数などの基本的な情報を記載します。これらの情報は信頼感を高め、取引先の判断材料にもなります。
最後に沿革では、創業から現在までの主な出来事やマイルストーンを時系列で紹介します。これにより企業の成長過程や実績が伝わり、企業の信頼性や実力を示すことができます。
採用情報
人材採用もコーポレートサイトの大切な目的のひとつです。大企業であれば採用サイトを作成することも多いですが、中小規模であればコーポレートサイト内で作成することも少なくありません。職種ごとの募集要項や社員インタビュー、社風を伝えるコンテンツを通じて、企業文化への共感を促し、応募者の質を高めます。
IR情報
上場企業の場合、株主や投資家に向けて、決算情報、業績推移、IR資料などをタイムリーに提供することが求められます。PDF形式だけでなく、表形式やグラフなどで視認性の高い構成が望まれます。
個人情報保護方針
BtoB向けのECサイトを持ち顧客データを扱う企業の場合、個人情報保護方針(プライバシーポリシー)の明示は必須です。収集目的や第三者提供の有無、問い合わせ先などを明確に記載します。
問い合わせフォーム
見込み顧客との接点を増やすうえで欠かせないのが問い合わせフォームです。EFO(Entry Form Optimisation・入力フォーム最適化)という業務が存在するほど、企業にとって重要な要素となっています。入力項目は必要最低限にしつつ、目的別(資料請求、デモ依頼など)に分けた設計が理想です。
BtoBコーポレートサイトにおけるセキュリティリスク
Webサイトは常に外部にさらされているため、さまざまなサイバー攻撃のリスクを抱えています。以下に主なリスクとそれぞれの内容を紹介します。
CMSの脆弱性
WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)は便利な反面、悪用される脆弱性が存在します。プラグインやテーマの更新を怠ると、意図しないアクセスを許してしまう可能性があります。
DDoS攻撃によるサーバーダウン
分散型サービス妨害(DDoS)攻撃により、大量のアクセスが集中しサーバーがダウンすることで、業務に支障をきたします。特に製品ページや問い合わせフォームが使えなくなることは大きな機会損失となります。
ECサイトの情報漏洩
BtoBサイトの中には、取引先との受発注をオンラインで行うEC機能を備えるケースもあります。適切なセキュリティ対策がなければ、顧客情報や取引履歴の漏洩リスクが高まります。取引先や顧客の信頼に大きく影響する箇所のため、優先的な対策が必要です。
SQLインジェクション
Webフォームの入力欄に悪意あるコードを注入し、データベースの不正操作を行う攻撃手法です。特にログイン画面や管理画面に対して行われやすいため、入力チェックや制限が不可欠です。
BtoBコーポレートサイト運用で必要なセキュリティチェック
セキュリティ対策は信頼性を守るうえで不可欠です。ここでは具体的なチェック項目を紹介します。
SSL対応
全ページをSSL(https)化することで、通信内容を暗号化し盗聴や改ざんを防ぎます。GoogleのSEO評価にも影響があるため、今やSSL化は必須項目です。
レンタルサーバーサービスで無料で提供されるSSLもあるため、現在未対応の場合は早めに検討しましょう。
アクセス制限
たとえ従業員であったとしても、管理画面や重要情報へのアクセスには、以下のような制限が必要です。
・強固なパスワードポリシーの運用
・多要素認証(MFA)の導入
強固なパスワードポリシーの運用では、英数字・記号を組み合わせた複雑なパスワードを強制することで、不正ログインを防ぎます。多要素認証(MFA)の導入では、ID・パスワードに加え、スマートフォンなどによる追加認証でセキュリティを強化します。
WAFの導入
WAF(Web Application Firewall)は、SQLインジェクションやXSSなどの攻撃を検知・遮断するファイアウォールです。クラウド型WAFの導入で、常に最新の攻撃手法に対抗できます。
定期的なCMSのアップデート
CMSやプラグインは、セキュリティパッチの適用が頻繁に行われます。最新状態を保つことで、既知の脆弱性を突かれるリスクを最小限に抑えられます。
目的を明確にしたBtoBコーポレートサイト制作が重要
BtoB企業にとって、コーポレートサイトは情報発信だけでなく、リード獲得、信頼構築、採用強化など多面的な機能を担います。そのためには、目的を明確にし、訪問者のニーズに応えるコンテンツと堅牢なセキュリティを両立させることが重要です。競争が激化する市場において、自社のWebサイトを価値ある資産として活用するための見直しを、今こそ始めてみてはいかがでしょうか。
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