BtoB ECサイト担当者必見!CMSの選び方と、進化するECパッケージ事情【EC CMS】

ECサイトの運用はBtoB商戦において不可欠な戦略の一つです。ECサイトを運用する際は、ターゲットのニーズや自社の運用体制によって、適切なCMSやECパッケージを選定することが成功への近道となります。
本記事では、ECサイトを構築するためのCMSの基礎知識から、BtoB ECサイトにおすすめのECパッケージ、CMS・ECパッケージを選定するポイントまで解説します。
BtoB向けECサイト用CMS構築の基本
CMS(Content Management System)とは、Webサイトを構成するテキストや画像、動画などのコンテンツを管理するシステムのことです。CMSは、HTMLやCSSなどWeb制作の専門知識が無くても簡単に操作できます。そのため、商品の追加や情報更新の頻度が高いEC運用には、特におすすめのツールです。
EC向けCMSはECサイトに必要な機能がそろっているものが多く、ECサイトの課題解決を支援してくれます。例えば、商品検索やカート、決済など顧客向けの機能に加えて、在庫管理や売上管理、顧客管理など管理者向けの機能が完備されています。さらに、目的に合わせて柔軟にカスタマイズできることもCMSの魅力です。例えば、越境ECや多言語に対応したプラグインを追加すれば、海外展開の際に有利になるといえるでしょう。
BtoB向けECサイトとBtoCECサイトの違い
BotB向けECサイトには、既存顧客の取引が中心の「クローズドBtoB型」と誰でも購入できるように開放された「スモールBtoB型」の2種類があります。また、機能面におけるBtoB向けECサイトとBtoC向けECサイトの違いとしては、かけ率管理機能、決済管理機能、販路管理機能などが挙げられます。いずれも、「取引先によって価格が異なる(一物多価)」「掛け売り」「商品情報の機密性保持」といったBtoBならではの取引に対応したECサイトには欠かせない機能です。そのため、基本的にBtoBの取引にBtoB向けECサイトを流用することは不適切と考えられており、自社の商材や取引内容、取引先に適したBtoB向けECサイトの構築が求められているのです。
CMS・ECパッケージ選定のポイント
数多くのCMS・ECパッケージがリリースされていますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。そのため、自社ECサイトの規模や運用体制を踏まえて、最適なCMS・ECパッケージを選ぶことが重要です。ここでは、BtoB ECサイトのCMS・ECパッケージを選定するポイントをお伝えします。
担当者目線の導入メリットを理解する
CMSやECパッケージを選ぶ際、ECサイト運用担当者の目線で見れば「使いやすさ」「コストパフォーマンス」「拡張性と連携性」を意識しましょう。
特に、Web制作の専門知識がない担当者が多い場合は、直感的に使えるCMS・ECパッケージを選ぶことをおすすめします。これを意識することで日々のECサイト運用がスムーズになり、人的・時間的リソースと運用コストを削減できます。
特に、オープンソース型CMSを利用するためには、ある程度のプログラミングスキルが求められます。プログラミングスキルを持つ担当者が社内にいない場合は、サポートを受けられるクラウド型CMSやECパッケージがおすすめです。
また、拡張性と連携性の高いECプラットフォームであれば、将来的にEC事業を拡大する際に有利となります。例えば、APIや在庫管理システム、コンテンツマーケティングと連携できるかどうかなどのポイントを確認しましょう。
CMS・ECパッケージの提供元は、実際の使用感を確かめられるデモンストレーションを公開していることがあります。契約前にデモンストレーションを行い、使いやすさを確認しておくと安心です。
自社の運用体制と必要な機能を明確化する
どのCMS・ECパッケージにも、基本的な機能に加え、オプションで選べる高度な機能があります。例えば、商品登録や受注管理などの機能はデフォルトで利用できますが、法人管理や取引先別の価格設定など、BtoB特有の機能はオプションとなっていることが多いでしょう。
こうした多彩な機能の中から、自社に必要な機能が備わっているCMS・ECパッケージを選ぶことが大切です。自社のECサイトの特徴や取引先のニーズ、事業の目標などを明確にした上で、必要な機能を洗い出しましょう。
その際、「ECサイトの規模」が一つの重要な指標になります。商品数やページ数が少ないECサイトでは小規模・中規模向けシステム、1万点以上を扱うなど大規模なECサイトでは大規模向けシステムを選んでください。
さらに、社内の運用体制に合ったシステムを選ぶことも重要です。無理なく運用するために社内の業務フローを整理し、必要な機能が入ったCMS・ECパッケージを選定しましょう。
CMS・ECパッケージを選ぶ際、もう一つ確認しておきたいのが「提供元の導入実績」です。自社に近い業界や商材のECサイトで多く導入されているCMS・ECパッケージなら、比較的安心して利用できます。
具体的な導入注意点
実際にEC向けを導入した企業は、どのような成果を出しているのでしょうか。例えば、代表的なECパッケージの一つ「EC-CUBE」を利用している製造業の中小企業は、自社商品の紹介動画やSEOコラム記事をCMSで一括管理し、問い合わせ数を増やすことに成功しています。
ただし、扱う商品数が1万点を超えるような大規模サイトの場合、CMSの運用コストが高額になったり、変更や拡張の手間がかかったりする場合があります。自社のECサイトの規模に合ったCMSや運用プランを選ぶことが重要です。
どれを選ぶ?BtoB向けECサイトCMS
本格的にECサイトを運用したい企業には、導入のハードルが比較的低く、ECサイトに必要な機能がそろったシステム「ECパッケージ」の導入をおすすめします。ECパッケージの概要と、おすすめのECパッケージを7つ紹介します。
EC-CUBE
EC-CUBEは日本発のオープンソースECパッケージで、カスタマイズ性の高さが最大の特長です。初期費用は無料で、拡張機能やデザインテンプレートを利用してオリジナリティのあるECサイトを簡単に構築できます。
主に中小企業やスタートアップなど3万5,000店以上の店舗で活用されており、高い実績を挙げています。ただしオープンソース型のため、セキュリティ面には注意が必要です。
Shopify Plus
ShopifyはクラウドベースのSaaS型ECプラットフォームで、月額換算3,650円(税込)から利用可能です。複数チャネルとの連携に強く、SNSや外部アプリを通じた販売も簡単にできます。幅広いオンライン決済サービスを導入できるので、越境ECにもおすすめです。
専門知識がなくても使いやすいECサイトを構築できるため、BtoB ECサイトで導入する企業も増えています。特にスピーディーな運用がしたい企業に最適でしょう。
makeshop BtoB
makeshopは日本発のSaaS型のECプラットフォームで、コストパフォーマンスの良さが大きな魅力です。販売手数料0円、カード決済手数料も業界最安値で、初めてECサイトを運用する企業も安心して利用できます。
取引先ごとに商品・価格を分けるなど、BtoB向け機能も豊富です。特にアパレルや雑貨、食品、家電などの業界で導入する企業が増えています。
WooCommerce(WordPress)
WooCommerceは、WordPressにインストールして使用する無料のプラグインです。WordPressの拡張性は高いため、豊富な機能を利用することができます。多言語対応のプラグインを追加すれば越境ECにも対応可能です。
WooCommerceを利用したECサイトは、WordPressを利用したコンテンツマーケティングと連動させるのが特におすすめです。また、決済手数料が安いため、規模が大きいECサイトでもお得に運用できます。
もっとハイスペック!機能充実な本格ECパッケージ
基本的なECパッケージには、以下のようなさまざまな機能が搭載されています。
・カート機能
・決済機能
・在庫管理、注文管理、売上管理機能
・配送管理機能
・顧客管理機能
・分析/レポート機能
・マーケティング機能
こうした多彩な機能の中から、ECサイト管理者は欲しい機能を選んでカスタマイズすることができます。ECサイトに必要な機能があらかじめ用意されているため、初心者や中小企業から大企業まで、幅広い事業者がECパッケージを利用しています。
また、EC事業の成長を目指して商品数を拡大したい場合や、外部サービスと連携したい場合など、高度なニーズが出てくることもあります。そのような場合、より柔軟かつ多機能にカスタマイズできるECパッケージで対応しなければならないケースも考えられます。最後に、上記の4つのECパッケージよりも高機能なECパッケージを紹介します。
通販マーケッターEight!
通販マーケッターEight!は、受注・顧客・商品・入金・出棺・在庫管理といった複数チャネルの情報をワンストップで運用できるEC/通販管理総合プラットフォームです。事業の環境、ニーズに幅広く対応できる高い拡張性やカスタマイズ性のほか、他社サービスとの連携機能も搭載しているのが大きな特徴といえるでしょう。また、反響集計、媒体集計といった高度な情報収集も可能であり、外部のBI・MAツールと連携することで様々なマーケティング施策の効率化、精度向上にもつなげられます。
通販Ace
バックオフィス業務の自動化に特化した機能を搭載している通販システムです。受注・発注・在庫・発注業務を総合管理できるほか、顧客情報・商品情報・受注情報に対して最大999個のフリー項目が設けられているのが大きな特徴といえるでしょう。自社の環境に合わせた項目を設定することで、各情報の抽出・セグメントが用意になり、業務効率化だけでなくマーケティング施策の精度向上にもつなげられます。
ケーススタディ:MiSuMi-VONA
株式会社ミスミグループが運営する「MiSuMi-VONA」は、精密機械部品やFA機器を提供するBtoB向けECサイトです。取り扱い点数は数百万以上あるにもかかわらず、優れた商品のカテゴライズと検索の絞り込み機能によって、顧客が気になる商品にすぐにたどり着けるよう設定されているのが特徴的です。これにより、従来は発注から納期まで数カ月かかるのが当たり前だった製造業のBtoB取引を数日で行うことが可能になりました。
まとめ:BtoBのECサイトはパッケージで構築
ECサイトを効果的に運用するためには、Webサイトを構築するCMSの選定が重要となります。ECサイトに必要な機能がそろったECパッケージは、運用の手間やコストを抑えたい企業には特におすすめです。
一口にCMSやECパッケージといっても、製品ごとにさまざまな特徴があります。BtoB ECサイトであれば、基本的なECの機能に加えて、法人管理機能や取引先ごとの価格設定機能などBtoB特有の機能を持つ製品を選びましょう。
また、CMSやECパッケージを選ぶ際は、EC事業の成長戦略を視野に入れることが重要です。将来的なEC事業の目標を基に、運用コストや社内の業務フローなども考慮し、自社にとって最適なCMS・ECパッケージを選んでください。
株式会社アドミューズではBtoBに特化したWebサイト制作・EC構築を行っています。特にIT・製造業の実績が豊富にあり、ニッチな商材の魅力を引き出すサイト制作をいたします。「自社サイトにEC機能を追加したい」といったご希望のある担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。